yanosea

日常などの

辛くなったらファズを買おう

10ヶ月という短い期間でしかないが、社会人になってから今まで運良く、残業を経験したことがなかった。定時5分前には日報を書いて、定時1分後にはオフィスを後にしていた。そんなのが当たり前だと思っていた。

そんな平和な日常が、突如として崩れた。

2021年になり、仕事で新しいプロジェクトに参画した。が、既に炎上目前。

定時から2〜3時間ほどの残業。世間的には大したことないというのも分かっているし、一時的な忙しさらしく、3月にはこの忙しさが収束する事も分かっている。

だが、初めて仕事が忙しいという感覚を味わい精神的にちょっと辛くなったので、散財した。

 

Earth Quaker Devices オクターブダブルファズ Hoof Reaper

Earth Quaker Devices オクターブダブルファズ Hoof Reaper

  • 発売日: 2017/11/23
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

ヒトリエのシノダ氏がこれで狂った音を出しているという情報を得て以来、前々から欲しかったペダル。

 

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デカイ。かわいい。デカイ。

 

廃盤になったEQDのTone Reaperというトーンベンダー系のファズと、EQDの現行ファズの中でおそらく最もポピュラーなHoofというファズがセットになり、おまけにTentacleというアップオクターバーまで搭載している、3 in 1のペダルだ。

ファズ2つをセットしておまけにアップオクターバーを入れよう、なんて誰が言い出したんだろうか。EQDの会議では誰も止めなかったのだろうか。誰に使ってもらう想定なんだろうか。疑問の多いペダルだ。

肝心の音は本当に狂っている。狂い度の昇順に個人的な印象を書いてみる。

 

1. Hoof

左側の4ノブコントロール部分。

Toneに加えてShiftというノブが音色を左右する。音作りの幅が広く、使いやすいサウンドからピーキーサウンドまでカバーできる。

Shiftノブは時計回りに回すほど、音が狂っていくので面白い。

野太いファズ枠として使用することにした。

 

2. Tone Reaper

右側の3ノブコントロール部分。

どのノブをどこに回しても狂った音が出る。

正直トーンベンダー系のファズと言われても何のことかよくわからないのだが、これがそうなら、トーンベンダー系は総じて狂っていると予想できる。

Toneのツマミは12時以降にしないとアンサンブルに入り辛そうな印象。14時くらいの設定でボードに組み込んでいるが、音色としては7時くらいの音が好きだ。ブチブチ途切れる減衰音が気持ち良い。

明るい音色のファズ枠として使用することにした。

 

3. Tentacle

中央のコントロール一切なしのアップオクターバー。これが一番狂っている。それでいて、脳の快楽物質を一挙に放出させる音。

踏むと絶対にTentcleがかかっているな、という音になる。ゲート感が強くリングモジュレータっぽい音。コントロールが無いのでEQDがいかに強気に出ているかが伺える。

12フレット以降を弾くと真価を発揮する。ヒリついた危なげなサウンド

更に、フレキシスイッチを採用しているらしく、一瞬踏めばONになるのだが、気持ち長めに踏めばモーメンタリースイッチになる。このONとモーメンタリーのラインが結構シビアなので、モーメンタリーとして使用したい場合には慣れが必要だろう。

コードを弾いたときにあまりにも音がヒリつくので、フェイザー的な使い方もできるのではないか、とか個人的には考えている。

 

オーディオ機材、特にギターエフェクターが好きな理由の大部分を、「好きな音を聞くと気持ちよくなれるから」が占めている。凛として時雨ヒトリエが好きなのも、この性癖に刺さるからだ。もちろんそれだけではないが。

このペダルは踏んだ瞬時に気持ちよくなれるので、この精神的に辛い状況を癒す一助となった。野太いファズ、煌びやかなファズ、イカれたアップオクターバー。どれも突き刺さる。気持ちよくなると、なんだか元気も出てくる気がする。満たされる感じがする。

「メタルは癌に効く」の現実的なラインは「ファズは鬱病に効く」だと思う。

 

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